液体窒素酸欠事故 死者2名
低温実験室の準備室で、助手と大学院生の二人が倒れているのが発見され、同大学の病院に搬送されたが、血液中の酸素が欠乏する低酸素血症で死亡した。
準備室では、液体窒素用の容器3個の内、1個が倒れて空になっていた。
液体窒素を使って、室温を下げようとしているうちに、酸欠状態となって窒息したようである。
この事故に関して、涼むために液体窒素をまいていたと伝わっていることがあるが、
それは誤解で、南極から採取した氷河期の氷が、古代の大気組成の研究のための試料として低温実験室に保管されており、冷却装置の故障で貴重な試料が溶けてしまうのを防ごうとしたというのが真相のようである。
酸素の足りない空気を一呼吸するだけで、倒れてしまうことは覚えておいてほしい。
液体窒素をエレベータで運ぶことがよくあるが、万一、停電でエレベータが止まったり、エレベータ内でこぼしたりすると、窒息の危険があるので要注意である。